あの頃の夢を、叶えてあげる

エッセイ書きたかったんだった。ずっと忘れてた。

約束は大人も子どもも対等


 ここは、おもちゃがたくさんある部屋。これからこの場所で、幼稚園ぐらいの女の子と大人の女の人が、定期的に一緒に遊ぶという ”ひみつの契約” をしてるみたいなんだけど…

 

 

「なんで出していないの!!!!」

 女の子が、大声を出している。

「前のとき、『次はお人形の家で遊ぶから、●●が来る前に出しておいてね』って約束したじゃん!」

 

 大人の人が答える。

「そうだったね、ごめん。●●ちゃんの気が変わって違うことしたいって言うかもしれないって思ったから、●●ちゃんが来てから出せばいいかなって思ったんだよ。

・・・けど、約束は約束だもんね。それを守らなかったのは、完全に私が悪いわ。●●ちゃんごめん。ほんとに、ごめんね。」

 

 あんなに怒っていたのに、女の子は大人が拍子抜けするほどあっさり「いいよ」と言い、嫌な気持ちを引きずることなく、人形のおうちで家族ごっこを始めた。

 

 そしておだやかな時が流れ、

 女の子は帰る時間に。

 

 いつものように帰り渋る彼女の態度に、手を焼く大人。それもようやくおさまってきたころに、なんの脈絡もなく、突然女の子が言う。

「次の時は、ちゃんとおうち出しておいてよ!!!」

「わかったよ。今度はちゃんと出しておく。今日はごめんね。」

 

 顔を真っ赤っかにして、最後にもう一度叫ぶ。

 

「今回だけだからね!!!!!」